美大出身の管理人が選ぶ 絵が上手い!画力の高い漫画家 ランキングTOP10
漫画家という仕事柄、才能があって絵が上手いのは当然と思われがちですが
実際のところ漫画家とひとくくりにしても、その絵の上手さにはかなり差があります。
360°どんな角度もカンペキマスター! マンガキャラデッサン入門
少女漫画家、少年漫画家、ジャンルでも変わる
単純に絵が上手いと言っても少女漫画、少年漫画という違いやギャグやシリアスなど狙う読者層によってもプロは絵柄を使い分ける事をします。
一般的にシリアス物の漫画では内容に説得力を持たせるため、リアルに描き込んだ絵柄が良いでしょうし
ギャグ漫画では絵柄自体で面白いと思わせたり、むずかしい内容と思わせないようにわざと単純化したり崩した絵柄が好まれる傾向があります。
また少女漫画や少年漫画といった掲載雑誌によっても読む読者層に合わせて絵柄や描き込みは当然変化しています。
今回はそういったジャンルの違いもあると分かった上で飛び抜けて上手いと思う人達を取り上げてみたいと思います。
ここではリアル寄りな絵柄で私が思う画力の高い漫画家を選んでみました。
10位 浅野いにお
代表作「おやすみプンプン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」
NHK「浦沢直樹の漫勉」に出演した際に実際に作業されてるところが映されていましたが、緻密な背景描写は自分で撮ってきた写真をトレスして描いてるそうです。
背景の写真トレスといえば江口寿史がツイッターで浅野いにおの作品を名指しでトレス批判したとも受け取れるツイートをして騒動になりました。
個人的には漫画家の手が加わってる時点で漫画の背景として成立してると思います。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション (7) (ビッグコミックススペシャル)
9位 村田雄介
代表作 「アイシールド21」「ワンパンマン」
USTREAMで作画配信もしていますが結構その中で自身の作画についても喋っていてデビュー以前は小畑健の元で背景アシスタントをしていたそうです。
絵の描き込みに加えてエフェクトやかっこいい動きのある大胆な構図を得意としてるようです。
8位 萩原一至
代表作「BASTARD!!-暗黒の破壊神-」
絵に対する異常なこだわりからコミックスでは雑誌掲載時の原稿から数ページ丸々
描き直しをしたり、殆どのページに何かしら加筆されて雑誌掲載時とは殆ど別物になっている事もあります。
初期とは絵柄がかなり変わりましたが、それでも女性キャラの描き方はいまだに師匠のまつもと泉の影響が残ってるように感じます。
90年代はその圧倒的なトーンワークで様々なスクリーントーンの技法を編み出してきましたが2000年代からはPCでの作業に変わりました。
BASTARD!! 暗黒の破壊神 9 天使の章5 (集英社文庫―コミック版)
7位 平本アキラ
代表作「アゴなしゲンとオレ物語」「監獄学園」
絵柄が変わった漫画家としてよく名が上がる作家ですが強い女性の描き方に定評がある
カッコいいシリアスな絵柄でギャグをやるという。
この画力があって成立してる面白さもあるように思います。
作画は全てパソコンで行っているようです。
6位 たなか亜希夫
代表作「軍鶏」「かぶく者」
発表している作品数が多いですがその殆どが原作付きの漫画であり
ストーリーを作るのは他の人に任せて絵に能力を全振りしてるようです。
原作を他人に任せてるせいか作品ジャンルも格闘、歌舞伎、探偵ものなど多岐に渡ります。
5位 井上雄彦
代表作「スラムダンク」「バガボンド」
荒々しいタッチの中に筋肉のしなりやその中の骨まで思わせる
確かなデッサン力に裏づけられた画力の高さを感じる。
遅筆になるのは絵にこだわるタイプによく見られるが、この作者の場合は
どうやって話を持っていくかストーリー面での壁にぶつかって
描けなくなってる様に思います。なるべく早い連載再開を望みます。
4位 森田まさのり
代表作「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」
人物の描き方も似ていることから原哲夫のアシスタントだった事は知られていますが
師匠と違い、数メートルを超える巨人など大げさすぎる描写は無く
現実世界に沿ったリアリティーのある人物描写や背景描写に定評があります。
どこかぶっとんだヤンキー漫画が多い中、森田の描く不良にはこういう奴本当に居るよねって思わせるリアルさがありました。
2018年には「キッドアイラック!」などの作者、長田悠幸先生と組みM-1グランプリにお笑いコンビとして参戦しました。リアルべしゃり暮らしの実力も確かなものでジャンプ漫画ネタを披露し準々決勝にまで進出しました。
3位 小畑健
代表作「ヒカルの碁」「デスノート」
漫画のみならずノベルスの表紙などの一枚絵のカラーイラストも上手くイラストレーターとしても通用する画力の持ち主です。
基本的に手描きですが「プラチナエンド」など現在は部分的にCGも併用しているようです。
原作付きで漫画は作画のみにまわる事が多く、デビュー以降ずっと美麗な絵柄で魅了してきましたが
当時何があったのか「あやつり左近」の2巻以降は絵柄がかなり荒れてラフから筆ペンで一発描きしたかの様な適当なコマも増えました。(それでも上手いのですが)
2019年に行われた原画展のインタビューによると、あの頃は綺麗なだけの個性の無い自分の絵柄に危機感を覚えていたらしくいろいろ試行錯誤していたようです。
結局最後までクオリティーを持ち直せず打ち切りになったのは今でも残念に思います。
2位 大暮維人
代表作「天上天下」「エア・ギア」
小畑健とどちらを上にするかで悩みましたが絵のテクニックだけではなく
イメージシーンでのカッコよさなど大暮 維人の方が描写の引き出しが多いように思えました。ですのでこちらを2位に挙げました。
現在連載中の「化物語」も先に製作されたアニメと比較してその表現方法は全て上をいってると思います。
1位 坂本眞一
代表作「孤高の人」「イノサン」
漫画における緻密な描き込みにおいてはもはやカンストしてると思います。
1ページ1ページごとが映画のように美しく精密に描き込まれていて作品世界の説得力を上げるのに十分な役割を果たしています。
前作品の「孤高の人」の途中からデジタル作画に移行して背景など写真加工やトレスを多用する描き方に変わりました。
SNSでは「イノサン」連載開始当初から作画風景などをアップしていて作業の一部を動画で見る事もできます。
あと季刊エスのコスチューム特集でのインタビューページによると作画資料の為に特注でドレスや衣装等を仕立ててそれを元に複雑な皺やレースの描写に役立ててるようです。
「イノサン」ではヤングジャンプ誌上で週刊連載をしていましたが続編の「イノサンRouge」からは作画に更に集中するため隔週のグランドジャンプにその連載を移しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか、例によって管理人の考えるランキングで実際に統計を取ったりしてる訳ではありません。
漫画家は絵が上手くて当然と思われてますが、逆に絵の下手な漫画家ランキングなんていうのも興味あります。まぁ不毛なので止めておきますが・・・
それでは以上、『美大出身の管理人が選ぶ 絵が上手い!画力の高い漫画家 ランキングTOP10』でした。