仮想通貨 ハードウェアウォレット「Ledger Nano S(レジャーナノS)」の使い方
ビットコインなど仮想通貨を取引所のウォレットで保管していたという人も、2018年1月26日のコインチェックNEMの流失事件をきっかけにハードウェアウォレットでの管理する必要性を感じた人も多いのでは無いでしょうか。
そこでハードウェアウォレットって何?というところから、代表的なハードウェアウォレットの「Ledger Nano S」の初期設定から
7月9日にリリースしたLedgerの新しいアプリ「Ledger Live」の設定方法なども解説していきます。
ハードウェアウォレットって何ですか
ハードウェアウォレットとはコインチェックやビットバンクなどの取引所で購入した仮想通貨をオフライン環境下で鍵をかけて自己管理できるようにする外部デバイスです。
USBメモリ程度の大きさの端末を使用するのですが、コインのデータ自体をこの端末に入れて保管するわけではありません。
この端末はあくまで厳重な「鍵」の役割をするもので仮想通貨の資産自体は取引所のウォレットを使っていようが、インターネット上のブロックチェーンに繋がれている状態になっている事に変わりはありません。
ただし取引所が倒産した場合、そこまでいかなくても取引所が取引や送金を制限した場合に資産が動かせないままになってしまいますよね。
またコインチェックのようにハッキングにより資産が盗まれることもあります。
こうなると2段階設定などかけていたところで気持ちの問題程度でほぼ無意味だったことが分かってしまいましたね。
コインチェックの時は運良く保障が受けられましたが88円まで下落した当時のレートで日本円での返金となりました。
こういった時にハードウェアウォレットを使って手元で管理できていれば、取引所を通さずにいつでも自分でアクセスできますし損切りするなりいくらでも対応が出来ましたね。
投入している資産が大きい人ほど導入するべきデバイスです。
私も1千万円以上の元手を仮想通貨に投入しているのでハードウェアウォレットに保管しています。
XRP(リップル)の送金にも対応しているLedger Nano S
ハードウェアウォレットにもいくつか種類がありますが、代表的な物でXRP(リップル)にも対応しているLedger Nano Sの使い方について説明をします。
「Ledger Nano S」の価格は15,800円します。安くは無いとは思いますが、セキュリティにお金を払っていると考えてください。被害にあってからでは遅いですよ。
「Ledger Nano S」を購入する際は必ず正規の代理店より購入する事をおすすめします。
amazonやヤフーオークション、メルカリなどで定価の半額以下で売られていて、実際に購入されている人も多く居るようです。しかし「正規品」とか「未開封」などと称して販売していますが、中身を操作してから綺麗に包装し直すことなどさほど難しい事ではありません。
ハードウェアウォレットを導入しようと思う程度のセキュリティ意識はあるのに何故、数千円をケチってよく分からない個人や業者から買ってしまうのか理解ができません。
そこは安ければ安いほど警戒すべきところです。
むしろ、起こる筈の無かった危険にさらされてしまう可能性すらあります。
Ledger Nano Sに対応している仮想通貨
2018年7月現在対応している通貨は27種類です。これ以外の通貨もファームウェアのアップデートにより追加される事があります。
Ledger Nano Sのセットアップ
まず中身の確認です。
Ledger Nano S本体、USBケーブル、ストラップが入っています。
それではパッケージから取り出しLedger Nano Sを付属のUSBケーブルでパソコンに接続します。すると画面に”Welcome”という文字が表示されます
次に「Press both buttons to begin (両方のボタンを押してスタート)」という文字がでるので、本体の上部にある2つのボタンを同時押しします。
すると本体上部の2つのボタンについての説明がでます
左ボタンは戻る 右ボタンは進む 両方同時押しは決定です
両ボタン同時押しで次へ進みます。
「Configure as new device? (新しいデバイスとして設定しますか?)」と表示されるので、右側の決定ボタンを押して次に進みます。
この時、左ボタンを押すとウォレットの復元が可能になります。
次にPINコード(暗証番号)の設定に移ります
「Choose a PIN code (PINコードを選択する)」と画面に出てきたら、両方のボタンを同時押します
任意のPINコード4~8桁を設定していきます。
左のボタンを押すと数字が減り、右のボタンを押せば数字が増えます。両方同時押しで決定です。
左側の数字から順に設定していきます。設定は4~8桁まで設定でき4桁で設定を完了したい場合は両ボタンを同時押しします。
さらに桁数を増やしたい場合は右ボタンを押す事で入力が続行できます。
「Confirm your PIN code」と出てくるので先ほど設定したPINコードを再度入力してください。
以上でPINコードの設定は完了です。自身で設定したPINコードは忘れないようにメモをとっておいて下さい。PINコードを忘れてしまうとアクセスが出来なくなります。
次はリカバリーフレーズの書留めに移ります。
リカバリーフレーズ(秘密キー)の書留め
「Write down your recovery phrase (リカバリーフレーズを書き留める)」と表示されるので、ボタンを同時に押します。
すると順番に♯1~♯24までの合計24個の英単語「リカバリーフレーズ」がランダムに表示されますのでスペルミスのないように全て書き写してください。
Ledger nano Sの箱の中にリカバリーフレーズをメモするための専用の用紙が入っていますのでこちらを使用してください。
24単語全てのメモが完了したらボタンを同時押しします。
「Confirm yourrecovery phrase (あなたのリカバリーフレーズを確認する)」という画面になりますので、またボタンを同時に押します。
「Select word #1」(1番目の単語を選んでください)というように表示が出てきますので、先ほどメモした「リカバリーフレーズ」と照らし合わせて番号と単語の組み合わせが合致するよう選択します。
以上の確認作業を数回繰り返します。
「Your device is now ready (あなたのデバイスは準備が完了しました)」と出てきます。 ここで、再度ボタンを同時に押して確認作業は完了です。
これでLedger Nano S本体側のはセットアップは完了になります。
続いてウォレットアプリケーションのインストールに進みます。
Ledger Liveアプリのインストールと設定
Ledger Liveは7月9日リリースの新しいアプリです。これまでは通貨によって別々のアプリを使っていましたがLedger Liveでは1つのアプリに統合されるようになりました。
始めにこちらのページからアプリケーションをダウンロードします。
Ledger Wallet – Open source companion app for your Ledger devices
ダウンロードボタンをクリックして任意の場所にファイルを保存します。
ダウンロードした実行ファイルをクリックするとセットアップが開始されます。
セットアップが完了しましたらLedger Liveを実行にチェックを付けて完了を押してください。
Ledger Liveが立ち上がります。この時Ledger Nano Sをパソコンに接続しておきます。
「Get started」をクリックします。
「Initialize a new Ledger device」 初期設定から行う場合
「Restore a Ledger device」 復元作業から行う場合
3番目の「use a device that’s already initialized」(既に初期設定のされたデバイスを使う)を選択します。
Ledger Nano SかLedger Blueを選択する画面になります。
該当のデバイスを選択して下のContinueをクリックします
セキュリティーのチェック項目です。
1、Did you chose your pin code by yourself?(自身でPINコードを設定しましたか?)
2、Did you save your recovery phrase by yourself?(自身でリカバリーフレーズは記録しましたか?)
3、Is your Ledger device genuine?(あなたのLedgerデバイスは正規品ですか?)
全てチェックすると正規品かどうかの確認に入ります
「✓Your device is genuine」 あなたのデバイスは正規品(本物)ですと出てきます。
Continueをクリックして次に移ります。
パスワードロックの設定をします。設定をせずにとばす事も出来ますが不正アクセスを防ぐためにも設定をおすすめします。
パスワードを決めて入力したら確認の為もう一箇所同じパスワードを入力して、「Continue」をクリックして次に移ります。
設定をしない場合は「Skip thias step」をクリックします。
バグに関するレポートをLedger社に送信するか否か選びます。デフォルトでは送信するになっています。
Continueをクリックして次に移ります。
真ん中のOpen Ledger Liveをクリックします。
トレードについての注意書きが出てきます。
暗号通貨を扱うのに際し、意思決定に必要な教養は自分自身で身につけてください。
暗号通貨は変動が激しいというリスクを伴います。
こういったことは自己責任のものとします。
Ledgerは暗号通貨の金融、税金、法的なアドバイスは行わないということをご了承ください。
こういった内容は自分自身で判断するか、専門家に相談してください。
といった内容です。
Got itをクリックします。
以上でLedger Liveの初期設定は完了です。
あなたのアカウントをポートフォリオに追加しましょうと出てきます。
左のOpen Managerを選択します
まずビットコインのアプリをインストールします。
メニューのManagerページからビットコインのアプリを選択し「Install」を押します
インストール成功の画面が出てきました。
メニューにあるACCOUNTSから「Add account」を開くと、どの通貨を追加するか選べますのでここでは例としてリップルを選びます。
Continueを押すと本体への同期が始まります。本体がスリープ状態になっていたりPINコードの入力を求められたら入力をしましょう。
Add accountをクリックします
このまま他の通貨も追加する場合は「Add more」を終了する場合は「Close」をクリックしてください。
取引所からLedger Nano Sにリップル(XRP)を送金する方法
ウォレットのアドレスを確認します。画面左のメニューから「Receive」をクリックします。アカウントを選択して「Continue」をクリック
Ledger Nano Sの接続を行います。
接続後にLedger Nano SとあなたのPC画面に表示されるアドレスが一致しているか確認するように指示されました。
「Verify」をクリックします。
確認してアドレスが一致していれば右ボタンを押してください。
例としてbitbank.cc(ビットバンク)からの送金方法を説明します。
ビットバンクにログインしメニューから「出金」に進み、出金したい通貨を選びます。
引き出し先アドレスの指定の画面から「アドレスを追加」をクリックします。
リップルのアドレスに先ほど確認したLedgerのアドレスをペーストして「追加する」を押します。(タグの入力は必要ありません)
試しに20XRP送金します。送金手数料が0.15XRPかかります。
「この内容で出金する」をクリック
ビットバンクからの出金申請確認のメールが来ましたら承認してください。
Ledger Liveで着金されたか確認します。
Ledger Nano Sへの送金手順は以上になります。
まとめ
いかがでしょうか、この記事の順で設定していけば恐らくつまずく事は無いと思います。
個人的には10万円でも仮想通貨に投機しているのであればハードウェアウォレットは導入した方が良いと思います。
また今後何かアップデート等で内容に大きな変更があった場合は追記いたします。
それでは以上、『仮想通貨 ハードウェアウォレット「Ledger Nano S(レジャーナノS)」の使い方』でした。