イラスト初心者向け おすすめペンタブレットの選び方 板タブor液タブ?
ペンタブレット(ペンタブ)はマウスと同じようにパソコン上でカーソルを操作する機器です。
ペンのような形状をしている入力器具をタブレットボードの上で動かすことでパソコンを操作します。
アナログによる手書きに近い感覚で操作ができるのでパソコンでイラストを描いたり写真編集などでマウスよりも早く繊細な作業ができるようになります。
以下ではペンタブレットの種類や選び方/使い方などについて説明します
イラスト初心者がデジタル絵の描き方、塗り方を習得する最初のステップ
初心者がデジタルイラストの技術を習得するために必要な道具はペンタブレットとそれを使うペイントソフトが必須になります。まずこれから説明する板タブレットや液晶タブレットといったペンタブレット。そしてAdobe Photoshop、SAI、CLIP STUDIO PAINT などです。
「ワコム35周年ご愛顧感謝キャンペーン」実施中
ワコム35周年ご愛顧感謝キャンペーン |ワコムタブレットサイト|Wacom
株式会社ワコムは1983年より創立35周年を記念して同社製品を対象とした「ワコム35周年ご愛顧感謝キャンペーン」を開催しました。
ワコム ペンタブレット製品の歴史を紹介する特別コンテンツの他、13.3型液晶ペンタブレット「Cintiq Pro 13」を、35%引きの89,856円にて販売するなど様々な記念コンテンツを用意しているそうです。
主なペンタブレット(ペンタブ)の種類
さてと、まずペンタブレットには板タブレットと液晶タブレットがあります。どちらもタブレットボードの上でペンを操作します。
ペンには左右クリックも付いておりマウスでできる操作はペンタブでも同様にできますが主な違いはボード側にあります。
板タブレット
パソコンのモニターを見ながら手元のタブレットボードで操作をします。
手元の操作するボードサイズによってモニターとの差に開きがでるので操作に一定の馴れは必要ですが入門用のモデルならば1万円を切る安価な価格帯から入手する事ができます。海外メーカーならもっと安いものもあります。
値段はピンキリですが1万円からハイエンドモデルで3万円程度で購入できます。パソコンとはUSBケーブルで接続し、専用のドライバをインストールします。(無線のモデルもあります)
板タブのメリットは価格の安さです。絵はモニターに表示されますので少し操作に慣れるまで練習が必要なものの、ペン先や手が絵に被らないので見やすく、目線も上げたままでで作業ができるので姿勢が悪くならず長時間の作業でも疲れにくいといった魅力もあります。
液晶タブレット
タブレットボード自体が液晶モニターになっていて手元の液晶タブレットを見ながら、そこに直接専用のペンで描画します。
手元と目線が外れる板タブレットと違い紙に書くときの使用感が近いので慣れるのに時間がかからないのがメリットです。
タッチパネル式のモニターを一式購入するようなものなので板タブレットに比べるとどうしても価格が高くなります。
海外製の安いモデルで4万円前後から購入できますが、安さばかりを追求すると性能面で不安が出てきます。wacomなど国内メーカー製ですと6万円近いものからハイエンドモデル(wacom Cintiq Pro16)で15万円程度で購入できます。
液晶タブレットはパソコンとUSBケーブルで接続するほかにHDMIなどの映像ケーブルでも接続する必要があります。パソコン上では2つ目のモニターとして認識されますのでOSのディスプレイ設定の確認が必要になります。また購入前にはパソコン本体側にHDMI端子があることを確認しましょう。最新の機種ではUSB Type-Cで接続するタイプのものも増えてきています。
OSを搭載しておりパソコンが無くても単体で使用できるものもあります。
ペンタブレットのサイズ選び
タブレットのサイズを選びます。本体そのものの大きさも取り回しに関係するので勿論大事ですが選ぶ際には入力エリア部分の広さに注目しましょう。
パソコンのモニターが大画面なのにペンタブレットがSサイズだとストローク幅のズレも大きくなるのでモニターのサイズを基準に選ぶと良いでしょう。液タブの場合は解像度にも注目します。
ペンタブレットの操作方法(クリック・ダブルクリック)
ペンは普通のボールペンのように持って使います。モニター上でのポインターの動かし方ですがポインターを移動させる時はタブレットから少しペン先を浮かせたまま動かします。ポインターを止めたい時は置きたい場所でタブレットからペン先を完全に離します。
クリックやダブルクリックはペン先でタブレットを1回叩くとクリックになり、素早く2回叩くとダブルクリックになります。
ドラッグは動かしたい対象をクリックし、ペン先をタブレットに押し付けたまま移動させます。
消しゴム機能
消しゴム機能が付いたペンではペンをひっくり返してペン先と反対側でこする事で消しゴムとして描いたものを消せます。
筆圧検知機能のレベル
ペンタブレットにはマウスには出来ない特徴として筆圧感知機能があります。512・1024・2048・4096~と数値が高くなるにつれ表現の幅も広くなります。
これは使用する対応ソフトに依存しますがペンにかける力の加減によって線の太さや塗りの濃淡が変化して、筆のかすれといった表現も可能になります。
ペンタブレットのオプション品
変え芯
ペンタブレットのペン先は消耗品です。描いているうちにペン先が磨耗して斜めに磨り減っていきます。また購入時に付属する標準の芯と素材の違う芯を交換することで描き味を変化させることもできます。
ここではおすすめしませんがパスタ麺や爪楊枝を加工してペン先を自作する人も世の中には存在します。
デュアルモニター(デュアルディスプレイ)でのペンタブの使用
デュアルモニターを使って片方のモニターに資料を表示してもう片方のモニターでイラストを描こうというそういった使い方を考えている人は注意が必要です。
パソコンにモニターを2台繋いでいる場合、タブレットの入力部に2画面分の領域が割り振られます。
そのままの状態で使い慣れるというのも良いですが、ペンタブレットの環境設定のマッピングから使いたいモニター番号を設定する事でどちらか一方だけに割り振る事が出来ます。intuosシリーズになるとファンクションキーのマッピング画面切り替えを押すことで切り替わります。
最初から全部デジタルにしないといけない?
必ずしも作業の全てをデジタルで行う必要はありません。線画はアナログで紙に描いてスキャナやスキャナ機能の付いた複合機プリンター等で紙に描いたイラストを取り込んで色塗りや仕上げだけをパソコンで行うという事も出来ます。スキャナがなければスマホなどのカメラで撮ったものでも構いません。
ただしスキャンや写真を取り込んだものを使う場合、ホコリや紙の細かなデコボコまで読み取ってしまう事がありますので、こうしたゴミを消しゴムツールや色調補正で消す作業が必要になります。
初心者おすすめのペンタブレットメーカーWacom
ペンタブレットの有名メーカーの筆頭として国内メーカーのWacom(ワコム)があげられます。国内ナンバーワンシェアでありアマチュアからプロまで幅広く利用されています。
ペンタブレットを初めて開発したメーカーで世界的に見てもペンタブレット技術の特許の多くを保持しており、電源の不要な電磁誘導式のペンの技術などWacomの特許に抵触しないでペンタブレットを販売することは難しく、これまでもWacomに訴えられて撤退した中国メーカーなどが多くありました。
利用者の数も多いので不具合の解決法から細かな設定方法やテクニックまで情報がネット上で共有されている事が多く、検索で調べやすいのも一つの利点です。
板タブでは入門モデルのWacom Intuos Smallから傾き検知も付いているクリエイターモデルのWacom Intuos Pro などがあります。
始めて購入するタブレットならば特別な理由がない限りは買って後悔することがないであろうワコムの製品をおすすめしています。その購入時期ごとの一番新しいモデルを購入するのが最も良いでしょう。
初心者から中級者向きの入門モデルです。筆圧感知は4096段階、充電不要のペンが付属します。パソコンとの接続にはUSBケーブルを使用します。
中級者以上からプロ向けにおすすめの商品です。ペンは精密な描き心地のWacom Pro Pen 2が付属。筆圧レベルも8192段階と十分なスペックがあります。パソコンとの接続にはUSBケーブルを使用します。
13.3インチ1920X1080のHDディスプレイでサイズはやや小さめです。筆圧レベルは2048段階です。パソコンとの接続にはHDMIを使用します。
Wacom以外の液晶タブレットメーカー
先に説明した通り初心者からプロまで誰にでもおすすめできるメーカーはワコムではありますが、それが液晶タブレットともなるとワコムの製品は10万円前後はしてしまいます。
そこでワコムにこだわらず他のメーカーにも目を向けてみると半値以下で売られていることがあります。このように手ごろな価格で液晶タブレットを手に入れることができます。
海外メーカーの液晶タブレットを使用する際の注意点として、ほぼどのメーカーもドライバがワコムと競合するのでワコム製品との同時使用は出来ないと思ってください。
また電源プラグの形状が3ピンになっている物があるので変換プラグが必要になります。そして傾き検知が付いていない、ペンに充電が必要なことがあるなどです。
HUION(フィオン)
ワコム以外で液晶タブレットを購入しようとするとまず候補に挙がるのがこのメーカー
深圳市絵王アニメーション技術有限公司は中国に本社を置くグラフック関連企業です。
「HUION 絵王(フィオン)」というブランドでアニメと漫画用ペンタブレットや液晶タブレット、トレス台などを製造ししています。
日本向けにも日本語公式ページ、Amazonジャパン内に販売ページを持ち
日本向け公式Twitterの発信や日本語サポートも積極的に行っています。
製品の特徴としてはワコムに比べペン先が沈む癖があるのが特徴。
ドライバがWacom製品と競合するので両方同時には使用できません。
19インチ1440×900のディスプレイ、筆圧レベルは2048段階で付属のペンは充電式です。パソコンとはVGA/ DVIポートを介して接続します。お手軽価格の液晶タブレットでスペック的には価格相応といった感じもします。安い液晶タブレットが欲しい方にはおすすめです。
15.6インチ液晶1920X1080のHDディスプレイ解像度があります。ペンは充電式のものが付属し筆圧レベルも8192段階と高く性能も十分です。パソコンとの接続にはHDMIケーブルを使用します。
XP-PEN
XP-PENはアメリカカリフォルニア州で創立された中国企業の液晶タブレットメーカーです。こちらも板タブレット、液晶タブレット、トレース台を販売しています。
15.6インチの液晶タブレットで必要十分なサイズです。筆圧は8192段階あり、液晶パネルの仕様は1920X1080のHDディスプレイ解像度があります。ペンはペン先の沈み込みがなく、充電の必要も無いバッテリフリースタイラスペンが付属します。パソコンとの接続にはHDMIケーブルを使用します。
12インチのサイズで携帯性も高いです。筆圧は8192段階あり、液晶パネルの仕様は1920X1080のHDディスプレイ解像度があります。パソコンとの接続にはHDMIケーブルを使用します。
まとめ
ペンタブレット及び液晶タブレットはパソコンで写真編集やデジ絵を制作しようとするときには必須とも言えるアイテムです。
中には安いとはいえないものもありますが、それだけのコストに見合う物であるのは確かです。製品ごとによる癖や描き心地に違いはありますが基本的に使い慣れていく必要があります。この辺りは難しく考えずに楽しみながら使ってみてください。
それでは以上、『イラスト初心者向け おすすめペンタブレットの選び方 板タブor液タブ?』でした。