「おっこー!がんばえー!」映画『若おかみは小学生!』の感想

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評判につられて映画を観てきました。子供向けアニメとたかをくくって観に行ったら涙が止まらなくなった等の感想を目にしていたので、そういう泣かせにくる作品なのだと分かった上で背筋を正して鑑賞してきました。

映画公式サイトのあらすじ以上のネタバレはしないで感想を書きます。

 

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劇場アニメ「若おかみは小学生!」あらすじ

交通事故で両親を亡くした小学6年生の関織子(おっこ)は祖母の営む温泉旅館「春の屋」で暮らすことになります。旅館に住み着いた幽霊のウリ坊やライバル旅館の娘、秋野真月に助けられながら春の屋の若おかみとして修行に奮闘します。

 

「若おかみは小学生!」の感想

導入部分の最初の10分くらいの見せ方がもう凄い。ここから泣いちゃう人がいてもおかしくはないです。

その日、関織子(おっこ)はお父さんとお母さんと3人で花の湯温泉街の神社のお祭りに来ていました。神社の神楽殿前には神楽舞いを見ようと沢山の見物客が集まっています。

笛や太鼓に合わせて舞うのはおっこと同年代の地元の小学生、お父さんもお母さんも子供の頃はこの神楽を舞うのに憧れたものだよと夢中になって見ていました。

 

帰り道、お父さんの運転する車の中では花の湯温泉にまつわる話や温泉に感謝をこめて毎年選ばれた子供たちが神楽を舞うのだという話をしていました。

「お母さん、おっこが舞うとこ見てみたいな」なんて事を言い、「お義母さんも歳だし旅館の事も考えなきゃな」お父さんとお母さんの会話をぼんやり聞いていた次の瞬間。

 

ドライブレコーダーの映像のような視点に変わり反対車線の向こうからトラックが物凄い速さで飛び出してくると、車にぶつかりフロントガラスが粉々に砕けおっこは車の外に投げ出されました。お父さんとお母さんを乗せた車はぐちゃぐちゃになり、窓から投げ出されたおっこだけが奇跡的に助かったのでした。

 

幸せそうな家族の団欒から一変して両親の居ない子になってしまったおっこ。ここまでが大体最初の10分くらいなのですがもうすでに辛過ぎます。いきなりこんな展開になってこの子どうなっちゃうんだよと思っていると、祖母の旅館に一緒に住む事になりました。

 

あんな事になって凄く落ち込んでるだろうと思ったけど古びた日本家屋はよく虫とかトカゲなんかが出てきてその度にギャーギャー騒いだりして結構平気そうにしてました。

あら?思ってたほど落ち込んだりしないんだと違和感を感じましたが話が進んでいくと理由がはっきりしてきて、おっこは事故で一度死にかけたおかげで幽霊が見えるようになっていて温泉旅館に住み着いた幽霊のウリ坊と知り合いにあるのですが、同時にお父さんとお母さんも幽霊として度々現れおっこのそばにいるのです。

おっこは両親が亡くなった事を表面上では理解しているけど心の底では分かっていない状態なのです。

 

おっこはおばあちゃんの旅館を継ぐため若おかみとして奮闘します。旅館に住み着いた幽霊達に引き寄せられて問題を抱えた厄介な客ばかり来ますがそれでも健気に頑張ります。後半に進むにつれおっこのトラウマを揺さぶられるような出来事も起こりますが旅館「春の屋」の若おかみとしての自覚を持ち始め、ライバルの真月からも認められる頼もしい存在へと成長していきます。

 

映画も終わりに近づく頃には劇場内のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきました。子供が観ても勿論泣けますが、子供と一緒に観に来た親の方が先に泣くかもしれないそんな大人の鑑賞に堪える作品でした。

 

最後におっこのライバルキャラとして登場する秋野真月というピンクのフリフリ洋服を着ていることから「ピンフリ」というあだ名が付いている女の子がいるのですが、映画では深く掘り下げてませんでしたがこの子も絶対何か抱えてそうな感じがして気になる存在でした。

 

 

「若おかみは小学生!」の原作

「講談社青い鳥文庫」から刊行されている令丈ヒロ子の児童文学が原作で2003年から2013年までに全20巻、累計発行部数300万部を超えるシリーズとなっています。

 

TVアニメ

2018年4月8日から9月23日にかけてテレビ東京系列で日曜日の朝7:14~7:30枠で放送されました。

劇場アニメはテレビアニメ放映中の2018年9月21日公開でしたが企画自体は劇場アニメの方が先に開始されています。

 

 

「若おかみは小学生!」を無料で見るには?

TVアニメ「若おかみは小学生!」はAmazonプライムビデオで全話配信されています。

プライム会員の方は実質無料で見られます。

 

 

 

「若おかみは小学生!」の上映時間は?

映画の上映時間は94分です。

この時間内で物語の始まりから完結までを描くために原作の中からエピソードを抜粋し、人物の設定も見直されオリジナルキャラクターが登場するほか原作では別々の人物が担った話を1人の人物の話としてまとめるなどの工夫がなされています。

 

映画版の声優は誰?

テレビアニメの放送中の上映開始で製作会社も同じですが、一部のキャストが芸能人にさし代わるなど異なっている部分があります。

 

おっこの父親
木内秀信(テレビアニメ) → 薬丸裕英(劇場アニメ)
おっこの母親
能登麻美子(テレビアニメ) → 鈴木杏樹(劇場アニメ)

グローリー水領
橋本結(TVアニメ) →ホラン千秋(劇場アニメ)

神田幸水
松本保典(テレビアニメ)→設楽統(劇場アニメ)

秋野美陽(あきの みよ)
日高里菜(テレビアニメ) → 遠藤璃菜(劇場アニメ)

 

「若おかみは小学生!」劇場版の主題歌を歌っているのは誰?

劇場版のために書き下ろした主題歌は「また明日」

歌っているのはシンガーソングライターの藤原さくらさんです。藤原さくらさんは原作直撃世代で学校の図書館で原作を知ったそうです。

またTV版の新主題歌「NEW DAY」も担当していました。

 

「春の屋」のモデルになった旅館

京都市左京区花脊にある美山荘(みやまそう)という温泉旅館が春の屋の参考として取材が行われています。司馬遼太郎の小説をはじめ、『美味んぼ』第20巻にも登場している有名な旅館です。監督によると訪問経験のある宮崎駿から評判を聞いていたそうです。

また花の湯温泉のイメージモデルは有馬温泉だそうで原作でもそのモデルとされいるそうです。

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基本プランは大人2名103,500円(税込111,780円)からとなっておりなかなか高額の温泉旅館です。

 

住所:〒601-1102 京都府 京都市左京区花脊原地町375

TEL:075-746-0231

 

 

秋野真月が『ホモ・デウス』の原書を読んでいると話題に

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おっこのライバルで秀才・努力家キャラの真月が『ホモ・デウス』の原書を読んでるカットが一部のクラスタ内で話題になっていました。

『サピエンス全史』の作者の本で日本語訳が今年9月に出たばかりですが、なんとこのカットで使用するために著者本人に許可を取ったらしいです。

 

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 こちらが原書の表紙。アニメの製作段階では日本語訳は発売されていませんでした。

 

まとめ

TVも原作も知らず予備知識無いも同然で観てきましたが背景美術も美しくてクォリティの高いとてもおすすめできる作品です。評価も上々のようです

観たらきっと皆おっこ、がんばれ!と応援したくなります。

それでは以上、『「おっこー!がんばえー!」劇場アニメ『若おかみは小学生!』の感想』でした。

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