『邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』漫画レビュー
皆さんには好きな作品を語らえる仲間が身近に居ますか?
今回紹介する漫画『邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』は映画、それも邦画にスポットを当てた作品で映画好きの方にもおすすめできる内容となっています(棒)
あらすじ
誰かと映画の話がしたくてしたくて堪らず「映画について語る若人の部」という部活動を立ち上げてしまった洋画好きの洋一たった1人だけの部に入部希望者が現れました。
新入部員の名は邦吉映子(くによしえいこ)彼女も部長と同じく映画の話しがしたくてたまらないタイプなのですが、これまで映画の好みがマニアックすぎると言われ人から理解される事がなかったとの事で、そんな彼女の気持ちが良く分かる部長は優しく部に迎え入れますが映子の挙げる映画の趣味は目の付け所が完全に狂っていたのであった。
邦画キ○ガイ映子さん
70年代少女マンガのタッチで描かれる学園漫画の主人公の邦吉映子は部長から「邦キチ」とあだ名で呼ばれる程の邦画好きです。ですが映子さんのすすめてくる映画はマニアックなB級邦画ばかりなのです。しかもネットで酷評されてる作品や映画部の部長ですらそんな映画あったっけ?と首をかしげるようなマイナーなものばかり。
例えば好きな映画を聞かれて実写版『魔女の宅急便』を挙げるほどです。ジブリアニメの『魔女の宅急便』はみんな知っていても実写版?そんなのあったっけ?といった具合で、しかも特に好きなシーンはキキにいらついたトンボが「魔法魔法言うな!!」とキキを張り倒すシーンだというので映画の内容が逆に気になってきます。
中でも注目なのがアクションシーン。嵐の中トンボを乗せたゴムボートを箒で引っ張りながら飛ぶキキ。あわや目の前には巨大な大岩が!そして衝突を避けるためにトンボがとった行動とは?
ジャンプして岩に飛び乗り!ゴムボートをかついで走り!またボートに飛び乗ってクリア!!たしかに衝撃的すぎます
プレゼントいう名の暴力
映子さんのB級映画でぶん殴ってくるような怒涛のプレゼンはまさに暴力。聞き手が困惑してても喋りやまない勢いがあります。
しかし部長も優しくて「(こいつの話を聞いてやれる奴など他におらんだろうし、部長の俺が聞いてやるしかないんだろうな・・・)」と映子の暴走ぶりになんだかんだ付き合ってくれるのです。
しかし映子のプレゼンにはどんなB級映画でも凄く観たくなってくるポイントをしっかり押さえてすすめてきます。
例えば、市原隼人主演『DOG×POLICE純白の絆』のクライマックス。大嵐の中自殺しようとするヒロインに寿司屋志望の市原隼人が寿司で自殺を止めるシーンなど、本当にそんなシーンがあるのかと疑いたくもなりますが・・・
誇張じゃなくて本当にそのままのシーンがあるんだからしかたありません。
メジャーに対する微妙な知識量
それでかなりディープな映画好きなのかと思いきや、映画の知識がニッチな方面に偏りすぎていていわゆるメジャー映画の知識は全くといっていい程欠落しています。
部長が自慢の『アイアンマン』コレクションを自慢するも「一体なんですか?ロボット?」とアイアンマンを知らない様子の映子に、アイアンマンを視界に入れずに映画好きで居ることなど可能なのか?と不思議がります。
アイアンマングッズを自慢してきた部長に対して映子も好きなロボット物映画のグッズを買ったのですと見せてきますが
「それ・・・何だ?(ぜんっぜんわからん・・・)」
バイトして買ったヘルメット(価格79,920円)を頭に被りながらリメイク映画『電人ザボーガー』熱く語りだします。他の回でも70年代特撮に異様に詳しいし本当に女子高生か?
電人ザボーガー 操縦ヘルメット 彩色済完成品 – 株式会社KHカンパニー
女の子らしい一面も
そんな映子も一応は女の子。部長の誕生日にはプレゼントを用意してくれました。
『キャシャーン』かよ!!
しかしお前『キャシャーン』といったらどこの映画系サイトでも叩かれている実写化失敗作の代表みたいに扱われている作品だろ?と映子に言いますがネットを見ない映子はそんな風に叩かれてる事など知りもせずに驚いてしまいます。
「部長はネットの意見を鵜呑みにされるのですね」
ネット上で叩かれてる作品だから観てないという部長に対して言った台詞がなかなかグサリときます。映子がネットを見てないだけなのに、まるでこいつが芯のあるかっこいい奴みたいではないか~
しかしネットで叩かれてるからって観ないというのはいけません。むしろそれだけ叩かれてたら逆に観てみたくなるもんでしょうに!
私も『キャシャーン』は観ましたが面白かったですよ。あと『デビルマン』『進撃の巨人』『テラフォーマーズ』などのネットでぼろ糞に叩かれてる邦画の代表作みたいなのはみんな観てます。
レビューを参考にするのは良いですが、とりあえず自分の目で見て評価するのも大事です。 映画を楽しめるポイントは人それぞれですので映子さんみたいに注目するポイントが違うだけでマイナーB級映画だって凄く楽しめるものになります。その事をこの漫画を読んで再認識しました。
コミックに収録の映画作品
実写「魔女の宅急便」
「DOG×POLICE 純白の絆」
「電人ザボーガー」
「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」
「箱入り息子の恋」
「バーフバリ」
「貞子3D」
「哭声/コクソン」
「劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」
実写「テラフォーマーズ」
「クリーピー 偽りの隣人」
「CASSHERN」
「KING OF PRISM PRIDE the HERO」
「ドラゴンボール EVOLUTION」
実写「デビルマン」
これだけの映画が取り上げられていますが『バーフバリ』など結構話題になった作品も取り扱っています。作中でもめっちゃ褒めてます。
漫画中盤から登場してレギュラー化するアジア映画好きのキャラのヤンヤン。
まとめ
マイナー映画を愛情たっぷりに面白おかしく紹介していくので邦画プレゼンという点でとても良いです。ダメ映画と小馬鹿にするのようなギスギスした感じもないので好感が持てます。
少女マンガタッチの映子たちと写実よりに描かれた香川照之や國村隼が同じコマに共存しているところなどつい笑ってしまいます。
それでは以上、『『邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』漫画レビュー』でした。
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