公道を走れる電動バイク・原付スクーターに流行の兆し おすすめの車体は?
ここ数年、CO2の排出削減などエコの観点などから電動バイクが国内有名メーカーからベンチャーまで様々なメーカーから出てきています。以前は値段が高く航続距離が短い印象がありましたが最近ではかなり進化しています。そこで最近の電動(EV)バイク・スクーター事情についてまとめてみました。
電動(EV)バイク・スクーターとは
電動スクーターとは文字通り電力をエネルギーとして走行するスクーターのことです。通常のバイクはガソリンエンジンを積んでいてガソリンを燃焼させることによってエンジン内部で爆発を起しピストンを押し上げ車輪の回転に換えますが、電動スクーターでは電気によるモーターの回転によって直接車輪を動かします。
電動スクーターにはガソリンエンジンで発生するような振動やマフラーも無いので排気音や廃棄ガスも発生しません。
公道で走れる電動スクーター
通常のガソリンエンジンのスクーターやバイクでは50ccまでなら普通自動車免許を持っていれば乗ることが出来ますが、電動を動力とする電動スクーターやバイクではそういった意味では排気量0ccな訳でこれまでの基準には当てはまりません。
ですので電動バイク・スクーターでは定格出力である電力のワット数によって排気量相当の分類を設けています。
原付第一種・排気量50cc相当
低格出力600W以下をガソリンバイク50cc相当としています。このクラスの電動バイク・スクーターは原付の道路交通法が適用され、制限速度は時速30キロに規制され二段階右折などのルールに従う必要があります。
原付二種・排気量125cc相当
定格出力が600Wを超えるとガソリンバイク125cc相当に分類され、原付二種のルールが適用され、二段階右折の義務もなくなり制限速度も60キロまでになります。このクラスを運転するには普通二輪免許が必要になります。
自動二輪・排気量250cc相当
定格出力1000Wを超えるとガソリンバイク250cc相当に分類されます。このクラスを運転するには普通二輪免許が必要になります。
ガソリン車に比べて燃費が良い
原付相当の電動バイクは1回の充電で約35kmの走行が可能です。
ガソリン車の原付は1リットルあたり約35km走行できます。1リットルあたりのガソリンを約125円として、バッテリーの種類により若干の差はあるものの、電動バイクのバッテリー充電にかかる電気代は27円程と言われています。
ですので同じ距離を走行する費用は電動バイクの方が100円近く安くなります。
電気代のコストが良い反面、デメリットとして充電に時間がかかることがあげられます。電動バイクの多くは車体から簡単に通りはずしができ、家庭のコンセントで充電が可能です。急速充電可能な充電器で30分、機種により最長で7時間ほどかかります。
軽量で人気の折り畳み電動バイク
定格出力600W以下に抑えた車種でミラーやライト・ウインカーなどの保安部品を備え原付バイクとして登録する事で公道を走行できるようになります。
電動バイク・スクーターではガソリン車とは違いガソリンやオイルなどを溜めるタンクや重いエンジンを搭載していません。この構造を追及しバッテリーやモーターの小型化により徹底的な軽量化を図り折り畳みが出来る構造にまでしたモデルが人気です。
このタイプのメリットはバイクごと室内や車のトランクに持ち込めることです。乗らない時は自宅に置いておく事が出来ますので盗難の防止や駐車場探しの心配も必要ありません。また車のトランクに積んで持ち運びが出来るので旅先での利用なども出来ます。
「ScootManS8(スクートマンS8)」
最大のポイントはボタン一つで自動的に展開と折り畳みが出来るという点です。そして簡単に折りたたむ事ができるので部屋に車に持ち込むのも簡単です。
希望小売価格185,000円です。またナンバープレートの取得や自賠責保険は別途実費でかかります。
「Cute-mL(キュート・エムエル)」
折りたたみ状態で自立するので玄関などにコンパクトに収納できます。
車両重量は25kgと軽量です。
家庭の100V電源で充電できます。約3~5時間で充電できて1回あたりの充電にかかる電気代も約24円とお得です。希望小売価格144,000円です。
「BLAZE SMART EV(ブレイズ スマートEV)」
専用スタンドや専用カバー、携行用のバッグなど専用の追加オプションも豊富です。車両重量は18kg 、希望小売価格128,000円です。またナンバープレートの取得や自賠責保険は別途実費でかかります。
充電時間は約3.5時間です。満充電で30km走行できます
車両に搭載されているBluetoothスピーカーから停止中に、お手持ちの機器から音楽を再生することが可能です。またBLAZE SMART EVはUSBポートも搭載しており携帯端末の充電が可能です。
「Di Blasi R70(ディブラッシR70)」
イタリア製の電動バイク「ディブラッシ」最高速度は時速40km、巡航距離は62kmと非常にパワフルなモデルです。
重量はバッテリーなしの状態で36.2kgです。こちらは原付二種扱いになります。希望小売価格336,000円です。
ベーシックな外観で安心の電動バイク
見た目も性能もガソリン車に近く日常的に乗りやすい実用性の高いバイクです。
「ヤマハ e-vino(イービーノ)」
おしゃれなスタイリングのファッションスクーター。車体重量68kg、一回の充電で29km走行できます。(別売りのスペアバッテリー同時使用で58km)
坂道等で加速したいときに一時的にパワーアップするブースト機能を搭載。希望小売価格219,000円です。
「ホンダ PCX ELECTRIC」
PCX125をベースとした電動バイクです。2018年11月30日からリース販売を開始。現在判明しているスペックでは1回の充電で50km以上の走行は可能だという事。シート下にモバイルタイプの大きなリチウムイオンバッテリーが2本搭載されていて、バッテリー1本あたりの重さは10kgほどらしいです。
従来のPCXでは給油口だった場所に充電プラグが格納されています。
値段も70万円強とハイブリッドモデルのPCX HYBRIDに比べても30万円以上高くなかなか一般向けとしては売り出しにくそうです。
電動バイクのデメリット
電動バイクのデメリットとしてはまず同クラスのガソリン車に比べて価格が高い事が上げられます。PCXエレクトロニックではベース車のPCX125より30万円以上も高い価格設定になっています。
そのコストの殆どはリチウムイオンバッテリーの価格といわれています。
それともう一つのデメリットとして航続距離の短さも難ありと言わざるをえません。性能が上がり一充電50km以上と普段乗りには問題ない距離でありますが、ガソリン車であれば一度の給油で400kmは走行できるのは大きな差です。
また、ガソリンスタンドのように街中に充電できる設備がない事です。4輪自動車用の充電設備は普及してきていますが電動バイクはまだ認知度が低く整備がなされていないのが現実です。
しかしまだこれからもバッテリー性能共々進化の途中なので段々とこれらの問題も解決していくものと思われますので今後に期待しましょう。
最高時速200kmの電動バイク『ベクター』
https://response.jp/article/2018/11/08/315943.html?from=tprt
イタリアの新興二輪車メーカー「アーク」の発表したバイクで最高速は200km/h、1回の充電での航続は市街地でおよそ320km高速道路でおよそ190kmを記録しているそうです。
変わった見た目の電動バイクの紹介
「MOTO UNDONE」
https://www.core77.com/posts/20465/joey-ruiter-outdoes-himself-with-moto-undone-20465
ミシガン州で活動しているデザイナーJoey Ruiter氏の製作した電動バイクです。四角の鏡面ボディで奇抜なデザインですが航続距離は約150kmとなかなかの性能を有しています。
合わせて読みたい
www.zero-note.net新作EVバイクの紹介もあります。
まとめ
ガソリン車と比べると航続距離の短さがまだネックといえますが、値段は数年前に比べて随分と下がり近所のちょっとした乗り物に購入するのも良さそうです。
ちなみに日本ではまだまだ見かけない電動バイクも中国では自転車と同じ扱いになり運転免許も自賠責保険も必要ないので溢れかえるように走っています。
それでは、以上『公道を走れる電動バイク・スクーターに流行の兆し』でした。