武装勢力に魔改造される日本のトラック ついにはプラモ化してしまう
中東などの紛争地帯では正規の軍用車両とは別に民間から購入した軽車両の荷台に重機関銃や無反動砲などの重火器を搭載した武装車両「テクニカル」という物が存在しています。
そして紛争地帯では車両の整備体制が脆弱なため信頼性の高い日本メーカーのトラックが人気で中古車を入手して現地で改造して使用しています。
TOYOTAなどのロゴからトヨタ戦争と呼ばれた事も
1987年のチャド内戦ではタイム誌が「Toyota War(トヨタ戦争)」の名でこの内戦を呼びました。政府軍はトヨタ製ピックアップトラックに機関砲や対戦車ミサイルを搭載して運用し大きな戦果を挙げたといいます。同時に反政府側の組織もトヨタ製の車両を使用していました。トヨタの車は中東の砂漠地帯でも故障せずに走り続けられると反政府組織やテロリストに限らず民間人などにも元々人気の自動車メーカーなのです。
そして車両後部に大きく記された「TOYOTA」のロゴが記者や見る者の記憶に残り「トヨタ戦争」と命名される事になりました。近年ではISISなどのテロ組織もやたらトヨタに乗ってるものだからアメリカ政府からトヨタはテロ組織に支援してるんじゃないか?とあらぬ疑いをかけられたりもしています。
CNN.co.jp : ISISがトヨタ車利用、米財務省が情報提供求める
テクニカルは防御力に乏しいため遠距離からの攻撃がメイン
装甲戦闘車両のような装甲を持たない民間車両がベースなため、弾頭による防御力は無いに等しく遠距離からのロケット弾による攻撃や人員の移動といった支援に用いられる事が多い。
問題となっている企業名の入ったままの武装車両
日本の会社名の入ったまま使用されているトラック。現地の人にとっては読めないし意味の無い文字列なのでしょうけど
「ヒャッハー中○興業株式会社だぜぇ~」マッドマックスかな?
これにはなんと電話番号まで書かれています。ここまでくると風評被害も大変なものでしょう。日本の企業だけではなくアメリカの企業の車などもそのまま輸出されテクニカルとして再利用されています。
アメリカのとある配管業者などはニュースで自社の車が中東でテクニカルとして使用されているのが報道され1000件にも及ぶ嫌がらせの電話や脅迫にさらされ被害を被ったとして車を売った中古車ディーラーを起訴しています。
海外プラモメーカーからテクニカル車両のキットが発売される
そんな日本製が使われている現地改修された武装トラックですがなんと海外メーカーからプラモデルとして売り出されています。日本メーカーじゃなかなか真似できない商品となっています。
こちらは「diopark(ダイオパーク)」という台湾の模型メーカーから出ているプラモデルです。
ダイオパーク1/35 民生ダンプカー UB-32ロケットポッド搭載型
細部まで精密再現されたダンプカーとUB-32ロケットポッド
前輪はステアリング可能。キャビンのドアは開閉選択式
ハンドルは左右どちらか選択可能
エッチングパーツ付き民生の中古ダンプカーを現地改修し、東側諸国にあまねく配備されているUB-32ロケットポッドを搭載した自走砲です。キットは現地で製作したフレーム上に設置されたUB-32、ダンプカー本体ともに精密再現しました。ロケットランチャーとフレームを取り外せば普通のダンプとしても使用可能で、日常系ダイオラマの素材としてもお薦めです。
本体価格は6800円
ダイオパーク1/35 民生ダンプカー 122mmロケットランチャー搭載型
細部まで精密再現されたダンプカーと122ミリロケット砲
前輪はステアリング可能。キャビンのドアは開閉選択式
ハンドルは左右どちらか選択可能
荷台の角度は自由に設定可能民生の中古ダンプカーを現地改修し、旧東側諸国にあまねく配備されている122mmロケットを搭載した自走砲です。ダンプカーの荷台昇降機構を生かしてロケットを発射します。ダイオパークらしく、このキワモノ自走砲を極めて真面目に精密再現しています。
本体価格は6800円
元となった車両はこちら。当然許可も取れるはずもないので流石に文字までは再現されていません。
キットを購入した方の話では謎の手裏剣が付いているとの事。何に使うのかは分かりませんが・・・
トラックに取り付けるロケットポッド単体の販売もしています。好きな1/35スケールキットに取り付ける事が出来ます。
ダイオパーク1/35 UB-32ロケットポッド
旧東側で広く使用されたUB-32ロケットポッド
シャープなモールドで発射口やカバーを再現
3セット入り
エッチングパーツ付きUB-32ロケットポッドは1970年代から登場した航空機用搭載用ロケットポッドで、旧東側諸国でこの兵器を見ない国はおよそ無いというくらい普及した兵器です。直径55mmのS-5ロケット弾を32発発射可能です。構造が単純なため、地上に設置した簡易発射台でも運用が可能で、現地改修で自動車に搭載した例も多く見られます。
本体価格は2500円
日本の模型メーカーも負けるな
日本の模型メーカー「アオシマ模型」では尖閣諸島沖で保安船に衝突した中国の不審船がキット化されています。
『アオシマ模型で尖閣漁船衝突プラモの試作品を見た瀧が「こんなの作っていいんですか?」と言い、アオシマの担当者が「当たり前のものを当たり前に作ってるだけです」と毅然と返してたのが印象的。さすが模型界の狂犬。』
あくまでミサイル艇のオマケとしての付属ですがどう見てもアオシマの企画者的にはコッチがメインなのだろうなぁ・・・
ネット上では「アオシマ」かと思ったらやっぱり「アオシマ」だったとの声。
【ガチャガチャ】アオシマ ジムニー SJ30 コレクションレビュー – ゼロノート
アオシマと言えば過去には先行者のプラモを作ったりしてましたし大手とは思えない尖りっぷりです。これは「ネットランナー」というPC雑誌についてた付録プラモデルです。(もう先行者を知らない人も多いと思いますが2000年頃のインターネット上で流行した中国の科学の粋を集めて作られたロボットです)
川崎にある艦船模型メーカー「ピットロード」からも同様のオマケという手口で不審船のキット化をしています。
www.zero-note.netトヨタの全市販車が展示してあるテーマパークの記事
まとめ
よくこんなプラモデルを出したものだと思います。ミサイル搭載のトラックのプラモデル、定価の半額以下だったらネタで購入してみてもいいと思ったのですが意外と高かったです。
それでは以上、『武装勢力に魔改造される日本のトラック ついにはプラモ化してしまう』でした。