バニラビーンズの価格が高騰 バニラの産地マダガスカルの農家は高収入
バニラビーンズの輸入価格がここ数年で大きく跳ね上がっています。2018年の輸入価格はキロあたり600ドル(約6万6千円)から750ドル(約8万4千円)と5年前の10倍にまで高騰し銀の相場を上回る価格で取引されていてまるで中世に金や銀と交換されていた胡椒のようです。
バニラビーンズというのはアイスクリームやシュークリームなどに入っている黒いツブツブの事で洋菓子の香り付けに使われています。
バニラ・甘い香りに迫る危機?|おはBiz キーワード解説|NHK NEWS WEB
なぜバニラの価格が急騰したのか?
世界の天然バニラの75パーセントはアフリカ南東沖のマダガスカル共和国という島国で栽培されています。日本の面積の1.5倍の面積のある島で2500万人の人々が暮らしています。
記録的なサイクロン(熱帯高気圧)や干ばつ、洪水、イナゴの大量発生などの自然災害を世界で最も多く受けている国のひとつで価格高騰の主な理由もサイクロンによるもので多くの農場が被害を受けました。
自然災害によって生産量が減少した以外にもバニラの需要はアイスクリームなどのお菓子以外にも化粧品の香料やアルコール類にも需要が拡大し、これも価格高騰に追い討ちをかけました。
さらにこのような価格の高騰を見越した投機目的の業者による買占めも起こりさらに価格がつりあがっているという状況です。
価格を抑えるためにバニラビーンズの変わりにバニラエッセンスやバニラオイルなどの代用品の利用も広まっているそうですが、天然原料にこだわる消費者も多く、なかでもマダガスカルのバニラビーンズは最高級品とされ日本の洋菓子に使われるバニラビーンズの実に9割がマダガスカル産という事でとても人気があります。
バニラバブルでマダガスカルは好景気
このバニラの価格高騰により生産地の農村地帯は熱狂しています。2005年には1キロ約3千円だった取引価格がピーク時で約8万4千円まで上昇し突然舞い込んだ大量の現金の流入により高収入となった農村地の住人が高級車を乗り回すようになり島には太陽光パネルやスマートフォン、薄型テレビなどのインテリアがあふれかえり”バニラ御殿”と呼ばれる豪邸も沢山建つようになりました。
バニラ農場の盗難も相次ぐ
バニラ農場を狙った盗難被害も増加しており、希少なバニラを守るために農場に寝泊りして警護したり輸送手段をトラックの代わりに小型飛行機で運ぶようにした業者まで現れました。
中には数人の窃盗犯が自警団に殴打され殺害されたケースまであったそうです。
しかしこのようなバブルは一過性のものでいつまでも続く事は無いと見られている一方で劇的な価格改善はしないとも言われており世界の動きが注目されます。
まとめ
バニラの価格高騰によって生産地では大金持ちになった農家も多いらしいですが、なんだか90年代のナタデココブームの時のフィリピンの生産者らを思い出してしまいます。
日本で起こったナタデココブームにより供給が追いつかなくなり設備投資をして生産設備を増強した頃にはブームが終焉し、さらに日本国内での生産にも成功し需要が激減し生産者らは負債に苦しんだとされる問題です。
マダカスカルの生産者も豪邸建てたりしてる人も居るようですが大丈夫なのでしょうか?
それでは以上、『バニラビーンズの価格が高騰 バニラの産地マダガスカルの農家は高収入』でした。