劇場版 「Fate/stay night [Heaven's Feel] II.lost butterfly」( HF 2章) 感想
劇場版Fate/stay night [Heaven’s Feel](以下HF)を観てきました。第1章を見たのは確か一昨年の事でその日は「ブレードランナー2049」を映画館で観ていたのですが私としてはそれが正直期待外れでして、そのまま不満が溜まった状態で家に帰るのが嫌で口直しとして続けてチケット買って同じ日にFateも観たのでした。
/HF第1章は/SNや/UBWを観てるのを前提としたつくりで共通ルート部分をOPのダイジェストに詰めた構成で脳内補完を必要とする部分もあったものの士郎と桜の出会いや内面に重点をおいた作りで製作スタッフのキャラへの理解度も高くてファンとしてはとても満足な出来でした。
ちなみに私はFateシリーズに関しては2004年発売のPC版を発売日に買ってプレイしており、それ以前の同人サークル時代のTYPE MOONの出していた「月姫」や渡辺製作所の同人版「MELTY BLOOD」とかもリアルタイムでプレイしています。今は聞かなくなりましたが型月厨とかいうやつでした。
最近はスピンオフが増えすぎて全ては追いきれてませんがFate/Zeroとか今はFate/strange Fakeなどは好きで読んでいます。
[Heaven’s Feel] の映像化について
今作の[Heaven’s Feel] は『Fate/stay night』というゲーム作品の中の3つに分岐するストーリーで[stay night]、[Unlimited Blade Works]に続く3番目のヒロイン桜にスポットを当てたルートで物語の核心に迫る物語です。
しかし王道少年漫画のような前の2つのルートに比べて3番目のHFはエログロ要素がやたらと高く、心をえぐられるような鬱ストーリーがこれでもかと積み重ねられていくのでこんなの映像化できる訳がないじゃんと思っていたのが数年前までの話。
それまでPSVita版のHFオープニングで満足してたくらいだったのにまさか本当にやってしまうとは思ってなかったです。
劇場3部作として製作される事になった[Heaven’s Feel] の2作目。1章の終盤辺りから不穏な空気がしていましたが今回の2章に入っていっぺんに噴出してきました。
Fateって金髪の女の子が主人公の家でタダ飯食うだけのほのぼの日常系アニメだと思ってる最近のファンにはショックが強すぎるかと思います。
セイバーオルタVSバーサーカー
第1章ラストで主人公士郎のパートナーであったセイバーが黒い泥(アンリマユ)に飲み込まれ闇堕ちした姿「セイバーオルタ」となって今度は敵として現れます。
今作の見どころの一つがセイバーオルタVSバーサーカーのバトルでしょう。
未熟なパートナーの士郎と組んでいた時は常に苦戦を強いられていたセイバーでありましたが魔力が無尽蔵に供給される状態と化したセイバーはこれまでのように切り札を隠したりとか魔力の温存など一切考えず奥の手の宝具を乱射します。
周辺の地形が変わる程のビーム砲のような攻撃を撃ち続けるさまに、Fateと思って観てたら『ドラゴンボール超 ブロリー』だったか・・・などと勘違いするほどにド派手なバトルシーンは元々高品質なアニメ作品を制作している事で有名なufotableなだけあってトップクラスのアクションシーンでした。
過激描写も躊躇しない
原作ゲームはテキストを読ませるタイプのいわゆるノベルゲームでたまに一枚絵などのイベントスチルは差し込まれるものの基本的に小説を読んでるのと同じようなものでした。(PC版には音声も無かったので)
ですので想像力で補わなきゃいけなかった部分も多かったのが、今作では陰鬱になるようなシーンもはっきり映像で描かれて見せつけられるものだからくるものがあります。
血とか内蔵のようなグロさって話しばかりではなく内面の汚い部分とかも、文章でオブラートに包みながら書いてたような部分もどんどん攻めるようにしてはっきりと描いている。台詞にしても原作でもこんなにはっきり吐露してたっけ
間桐慎二のクズっぷり
今回慎二に関しては結構丁寧に描写されている印象を受けました。
ヒロイン桜の血の繋がらない義理の兄、魔術師の家系に生まれながらも魔術を扱う才能を持たなかった慎二は間桐家の後継者として養子に入ってきた桜に対して劣等感を覚え歪んだ感情を募らせていました。
学園の女子に暴力を振るうことにも抵抗がなく、桜に対しても日常的に暴行・虐待行為繰り返していた。気難しく歪んだ性格ながら士郎とはどこか馬が合って友人としての付き合いをしていたが聖杯戦争において士郎が自分にはなれなかった魔術師であった事を知りショックを受けてしまいます。
士郎も桜も凜も慎二を無視して喋り続けて会話に割って入る事も出来ず疎外され最後には逆上するも何だこいつって顔で見られて本当に救いようの無いつまらない奴として描かれます。
ファンディスクの「Fate/hollow ataraxia」やアニメUBWなど他作品ではギャグキャラ扱いされていて憎めない困った奴みたいな印象が後から植え込まれてましたが、本来はこんな奴だったんだなってのを思い出しました。
声優の神谷浩史が「僕Fate詳しくないんですよ」と言うように慎二はFateの話の根幹には関わってこない脇役なので10年以上関わっている作品でありながら慎二自身が知ることの無い情報は神谷自身も知らないようにシャットアウトし続けてきたと語っていてそのプロフェッショナルぶりには驚かされました。
大河と桜の会話シーン
これって原作にもありましたっけ?大河が桜に切継の話をしてるのをイリヤが聞き耳立ててたシーン。イリヤが切継の真意に気付くZEROにも繋がる話だから多分映画オリジナルの会話シーンだったと思いますが珍しく大河が良い仕事していました。
FGOコラボ
劇場来場者特典の描き下ろしイラストの概念礼装を週替わりでキャンペーン対象の劇場を訪れた方にプレゼントしています。
携帯端末の位置情報によりエリアチェックをします。
すると劇場限定の概念礼装が入手できます。
週替わりで配布される概念礼装の内容が変わりますが位置情報をチェックしているだけなので必ずしも映画を観る必要は無いので映画館の前まで行けばダウンロードできます。全て揃えたければ毎週劇場の前まで行けばよいのではないでしょうか?
「鑑賞特典」ではなく「来場特典」と言っているので何も問題はないでしょう。
まとめ
最終章は2020年の春公開予定だそうです。エンディングを知ってる者としたら春に合わせたいと思うのは当然だろうかと思います。
それでは以上、『劇場版 「Fate/stay night [Heaven’s Feel] II.lost butterfly」( HF 2章) 感想』でした。