ガンプラモデラーNAOKIとは一体何者なのか? MGキュベレイダムド レビュー

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プレミアムバンダイで受注販売されているガンプラ。MGキュベレイダムドを購入しました。キュベレイダムドはガンダムビルドダイバーズ公式外伝「ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL’s World Challenge」に登場するオリジナルの機体です。

各部に施された段差ディテールに巨大化された手首やヒールアップした足首などを新規造形のパーツで再現。美しくも禍々しいメリハリの利いたキットになっています。

パッケージも機体のイラストが描かれていない珍しい特別デザインになっています。

ガンダムシリーズの商品ならプレミアムバンダイ】

 

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ガンプラらしくないポップなイメージのボックスアート

 

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キットのパーツ自体は2001年発売のMGキュベレイを元に新規パーツを追加したものです。

 

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さくっとパチ組みしてみました。特に腕が大型化され手入るのが一番のアレンジポイントでしょうか。

 

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手首の形状もモビルスーツというよりはモーターヘッドのようです。遠近感で腕が大きく写ってるようにも見えますが本当にデカいんですよ。

 

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ピンクやパープルで構成されたアニメ「機動戦士Ζガンダム」のキュベレイのイメージではなくブラックとグレーによるシックなイメージに変更されています。

「ガンダムビルドダイバーズ」の機体なのでハマーン・カーンが乗っている設定ではありませんのでね。

 

プロモデラーNAOKIによる設計監修

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キュベレイダムドはプロモデラーNAOKIの発表した作品が元となっています。

NAOKIがアドバイザーを務める模型雑誌「GHL(ガンダムホビーライフ)」の女性パイロット特集の企画でNAOKIが改造・製作したハマーン・カーンの機体MGキュベレイです。

この作例を元にキュベレイダムドが生まれ今回のキット化に繋がりました。

 

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雑誌の作例ではキュベレイのメカデザインをした永野護の漫画作品「ファイブスター物語」に登場するMH(モーターヘッド)の意匠を取り込み、より永野メカらしさを強調しています。手首もそうですが腰の蛇腹になった部分や足首のヒール部分なんかがそうですね。

リックディアスや百式などの永野メカをMH風にアレンジするのは永野メカ定番改造のひとつかも知れません。

 

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例えば2001年10月号の電撃ホビーマガジンのMGキュベレイ特集でも同じような方向性の改修がされてる作例がありました。

 

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この作例を担当したのは造形村(京都の模型メーカーボークスの造形部門)でボークスはFSSのガレージキットを数多く製作・販売しているメーカーとしても非常に有名です。この作例では自社製MHのガレキパーツを足裏のディテールとして埋め込んだりもしていました。

 

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キュベレイダムドはカラーリングも含めて永野護のこのイラストの影響を受けてイメージを寄せてきているように思います。このキュベレイは凄くかっこいいですよね。ウェーブやシリコントライブからガレージキットが出ています。

 

 

あと私の好みとしてはこの瀧川虚至デザインのキュベレイも隙間のごちゃっとしたメカ部分が好きですね。瀧川氏はRGシリーズの「ガンダムMk-II」、「Ζガンダム」、「ガンダムGP01」、HGUCの「ハンブラビ」、「メッサーラ」などの開発画稿を描いている方です。

  

キュベレイダムド塗装しました

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アニメ「ガンダムZZ」のイメージで塗装し直しました

キュベレイはハマーン・カーンがパイロットのイメージが強いですので塗り替えてみました。やはりこっちのカラーリングの方がしっくりきますね。

一緒に並べているフィギュアはメガハウスの限定復刻版の方です。旧バージョンよりも塗装がアップデートされています。旧バージョンも発売日に買って持っていたのですが傾き対策がされておらず夏場になると暑さとマントの重みで細い足首が仰け反るように曲がっていき自立できなくなってしまいました。

復刻版では以前出した時より製造コストが上がり値段も倍近く上がりましたが、今度は傾き対策がされているようで夏場でもビクともしません。おそらく芯にABSが入ってるものと思われます。

 

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同スケールのZZガンダムと並べるとこんな感じです。ヒールが高くなっているので頭頂部が同じくらいの高さになりました。

 

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装甲にスミ入れするとだいぶ引き締まって見えます。モールドが浅くてスミ入れがしづらいので彫り直しをするといいかも知れません。

 

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白装甲部分もパールホワイトで塗り直し、肩のバインダー裏も丁寧に塗り分けします。

 

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元のキットの出来に引きずられているのか、ヒールなど足の接地性はあまり良くありません。ここを改修しようとするとジョイントの位置変更など大掛かりな改造になってしまいそうです。
 

プロモデラーNAOKIとは?何者なんだお前は!?

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NAOKIはデザイナー及びプロのガンプラモデラーで「モデルグラフィックス」やホビージャパン別冊「HJメカニスク」などで作品を発表する他、不定期発行の模型雑誌「GHLガンダムホビーライフ」のアドバイザーとして総合プロデュースも務めています。

また近年ではメカデザイナー、グラフィックデザイナーとしても活躍。

 

■ホビー誌の総合プロデュース

GHLでは毎号NAOKIの製作したガンプラが表紙と巻頭ページを飾り、他ページに参加しているモデラー陣もNAOKIが声をかけて集められています。モデラーとして作品を制作するだけに留まらず、紙面の座談会などを読む限り雑誌の特集などから本の方向性まで決めている立場のようです。

 

■模型用品ブランド商品プロデュース

NAOKIはこうしたプロデューサー的な仕事も勢力的に範囲を広げていて、模型塗料メーカーのガイアノーツではNAOKIがプロデュースする模型用品ブランド『NAZUCA(ナスカ)』シリーズを立ち上げています。

ガイアノーツ – NAZCA(ナスカ)シリーズ

モデラー視点の商品企画やプロデュースをしています。

 

■プライズフィギュア総合プロデュース

その他にはバンプレストのプライズ景品にてワンピースやルパン3世などのフィギュア『造形師×写真家』というコンセプトシリーズを展開していますがその総合プロデュース・フォトディレクションを手がけています。「原型師の作りたい造形」と「写真家の撮りたい絵」という異なるクリエイター同士から産まれる化学反応を引き出すという。スタイリッシュなNAOKIらしい意識の高い企画です。

とるナビ | CONCEPT | 造型師×写真家 CREATOR×CREATOR

 

■ガンプラの設計監修

ガンプラの設計など主にプロポーションや可動などの監修を行っています。ガンプラの設計監修といえばメカデザイナーのカトキハジメや最近では瀧川虚至などが手がけたりしています。

大体の場合デザイナーが絵に描いて指示すると思うのですが、NAOKIの場合はバンダイから上がってきた3Dプリントによる光造形に対して直接パテを盛ったり削ったりするなどしてプロポーションの改修をした立体物を提出して指示出しをしています。

カトキの場合Ver.Kaブランド以外の仕事では自分の個性は出さずにアニメ作中のイメージに近づけつつ、他キットと並べた時に大系的に違和感の出ないようにリデザインしたりしていますがNAOKI監修のキットでは結構NAOKI好みのプロポーションが表に出てしまうのが特徴です。

HGUC百式reviveなどが顕著な例です。劇中イメージや設定通りのキットが欲しい人達にとっては不評でアマゾンのレビューも賛否両論ですが星1つのレビューは大体がデザイナーのアレンジが効きすぎという内容で好き嫌いがはっきり分かれるようです。

 

真似をしてもいいけど一言許可を取れというスタンス

模型雑誌電撃ホビーマガジンに掲載のNAOKIの作例に感銘を受けた一般人モデラーが差し色の入ったカラーリングを真似して製作したターンXをツイッターにアップしていたところ、リツイートが本人の目に留まってからのこのツイート。NAOKI、結構ピリピリしてます。

 

その後、真似してた方が「不快な気持ちにさせてすみません」と恐縮しまくりで慌てて返信にやってくるという流れになりました。

雑誌掲載作品を真似するなら本人に一言伝えにこいといった趣旨のマイルールを突然掲げられて、フォロワーを含むモデラー界隈ではこのやり取りに少々ざわつきました。

 

こんな流れが過去にあったものだから、永野護のイラストに影響受けてたアレンジのMGキュベレイダムドが発表されるやいなや「NAOKIは永野護の許可は取ってるのか?」「パクリなのでは」といった声があちこちから上がってました。

 

 またキュベレイダムドと同時にMG百式をNAOKIがアレンジしたMG百式壊もプレミアムバンダイ限定で販売となりました。

 

合わせて読みたい

www.zero-note.netガンダム系ガレージキットのイベントレポート

 

www.zero-note.netメカデザイナー・カトキハジメによるデザインのiPhoneケース

まとめ

時代やデザイナーによって色々な形や解釈が 出来てくるガンプラ。カーモデルや戦闘車両のように本物が存在してないからこそ、こうした自由度があって面白い部分でもあります。

それでは以上、『ガンプラモデラーNAOKIとは一体何者なのか? MGキュベレイダムド レビュー』でした。

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