『転生したら島耕作だった件』転スラ×島耕作というチートコラボで脱社畜

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弘兼憲史の漫画『島耕作』シリーズは後に大企業のトップになる男を中心にサラリーマンの群像を描き団塊世代にヒットした作品で現在は『会長島耕作』が連載中の80年代前半から続く息の長いシリーズ作品です。

それがなにを血迷ったのか弘兼憲史本人の手による『転スラ』との意外すぎるコラボ漫画がスタートしました。

 

『転スラ』と『島耕作シリーズ』のあらすじ

『転生したらスライムだった件』

大手ゼネコンに勤務するサラリーマン三上 悟、37歳はある日、街で遭遇した通り魔に刺されて死んでしまう。意識が戻り自分の身体を確認してみるとスライムになっていました。何でスライムなんだよといいながらもどこかすれた天然主人公はスライムライフをエンジョイしていきます。

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

 

 

『課長 島耕作シリーズ』

大手家電メーカーに勤務するサラリーマン島 耕作が80年代から現代までに至る企業内部の派閥抗争や経営戦略、多彩な女性関係などの苦難を乗り越え乗り切っていく過程が描かれるビジネス作品。現在は『会長 島耕作』がモーニング誌で連載中。

課長 島耕作(1) (モーニングコミックス)

課長 島耕作(1) (モーニングコミックス)

 

 

転スラと同じ展開から島耕作ルートへ突入

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主人公、三上 悟(みかみ さとる)は大手ゼネコンのサラリーマンである。面倒見の良い三上は後輩の結婚相談に乗っていたところを通り魔に刺されて死亡してしまう。

 

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本来の『転生したらスライムだった件』であればスライムに転生し異世界でドラゴンのヴェルドラと出会うというのが本来の流れなわけですが異世界の洞窟ではなく、そこはどこぞのオフィスでした。

 

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なんと島耕作に転生していました。ここで注目すべきは自身が漫画の登場人物になってしまったと自覚している点です。現実から二次元の住人になっている『転生したらヤムチャだった件』と似たような状況です。

shonenjumpplus.com

漫画の知識を頼りに島耕作として動く

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「島耕作シリーズは課長時代から全巻読んでいる 島耕作としての対応は出来ないことはない」
あまりの事に頭を抱えたものの、すぐに状況を受け入れ対処をしはじめます。

35年の連載を誇る島耕作シリーズを読破し出来事を記憶しているだけでも相当なスキルだと思います。

 

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「鳥海赫子がいるということは舞台は第一作」漫画を読んでいた記憶から時代は1984年頃である事を察します。

ちなみに鳥海赫子とは「課長 島耕作」の5,6話に登場する勤続10年の独身OLで、6百万円の定期預金を持っているらしい、地味だが口の堅い島耕作の不倫相手のひとり。

 

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島耕作といえばセックスです。ゴルゴ13と島耕作はすぐに女性と関係を持ち味方に引き入れます。だいたいいつも女の方から島によって来てホテル代も女持ち。

成功の秘訣は性交です、会社の副社長とも穴兄弟です。

島耕作に転生して初エッチだと喜んでホテルの部屋まで来たのはいいが童貞の緊張から息子が臆してしまいます…

腹が痛むから今日はできそうにないと仮病を使い何もせずに帰ってきてしまいます。

 

漫画に無かった出来事が起こり対処できない三上

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家に帰ると娘の誕生日でした。そんな事は漫画にも描かれていないから知らないぞ。娘と約束していたプレゼントの用意をしておらず、娘は泣いて部屋を飛び出してしまいます。

パーティは中止となり妻からも酷い父親だと冷たい目で見られ、さらにアナタここ最近人が変わったようだと不審がられます。こりゃ離婚も待ったなしです。

 

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川尻浩作と入れ替わった吉良吉影のようには上手くいきません。

 

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漫画通りに行動すれば社長になれるけど、もし漫画に描かれていない行動をしたらどうなるんだろう。試しに記憶を頼りに馬券を購入したら大当たりしてしまいます。

主人公、三上 悟は37歳。現在の時間軸で計算して1982年生まれなのに当時の競馬知識も凄くない?

 

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スポーツ年間で大儲けしたBTTFのビフのように競馬で億万長者なることを決意する三上。

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サラリーマン生活で苦労するよりダービーで儲けられる事に気付き、こうなったら怖いものは無し。部長に媚へつらう必要も無くなった脱社畜 島耕作。女性の扱いは全く分からないが他のことなら何でも知っている、無双ルートに突入か!?続きに期待。

 

コラボが期待していた以上に面白かった

浮気相手の鳥海赫子が実は産業スパイで他社に情報を流していることなど未来の出来事として既に知っている。これから行われる競馬の結果を知ってるなど未来の知識で活躍する展開は転生物に限らず、ループ物などのやり直し系でも使われるパターンです。

三国志の世界で歴史の知識を元に転移した現代人が活躍する初期の『龍狼伝』なんかもその系列ですが、自分が動いた事で本来の歴史と違った方向に進んで知識が役に立たなくなるなど様々な展開が起こります。

龍狼伝(1) (月刊少年マガジンコミックス)

龍狼伝(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 

 

 『槍の勇者のやり直し』のように強さだったり知識を保持したまま物語冒頭にループしてしまう「強くてニューゲーム」状態に近いものがあって面白いですが、三上の『島耕作シリーズ』の知識がありすぎてちょっと笑えます。 

槍の勇者のやり直し 1 (MFC)

槍の勇者のやり直し 1 (MFC)

 

 

なろう系小説の元祖?

こうした現代の知識で無双する作品の元祖ともいえる作品に、トムソーヤの冒険の作者として有名なマーク・トウェインの著作で『アーサー王宮廷のヤンキー』という1889年に出版された小説があります。

本が出版された19世紀現代のアメリカ人が5世紀後半~6世紀半のアーサー王の時代にタイムスリップして自身の持つ現代知識でアーサー王の側近として学校や新聞、電話網まで整備し、当時のイングランドに貨幣経済を持ち込み終いには民主主義国家を成立させようとする話で今ある異世界チート小説のテンプレ要素が満載の作品です。

トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー (角川文庫)

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まとめ

今回紹介した『転生したらスライムだった件』のコラボ以外にも『金田一少年の事件簿』の原作者・樹林伸とタッグを組んだ作品『島耕作の事件簿』がありますので気になったら読んでみてください。 

島耕作の事件簿 (モーニング KC)

島耕作の事件簿 (モーニング KC)

 

 

それでは以上、『『転生したら島耕作だった件』転スラ×島耕作というチートコラボで脱社畜』でした。

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